2019年10月21日(月)に開催された「第20回労働政策審議会雇用環境・均等分科会」の配布資料「職場におけるパワーハラスメントに関して雇用管理上講ずべき措置等に関する指針の素案」が厚生労働省から公表されました。
https://www.mhlw.go.jp/content/11909500/000559314.pdf
パワハラに該当する具体的な行為などを盛り込んだ指針は、年内に策定予定とのことですが、調整に時間がかかっているようです。
かつての「雇用対策法」が「労働施策総合推進法」となり、パワハラ防止法とも呼ばれています。
素案で一番目にとまったのが、とりわけ判断が難しいといわれる「業務上必要かつ相当な範囲を超えた」言動・・・についての記載です。
例えば、以下のもの等が含まれるとして記載されている内容は・・・
・業務上明らかに必要のない言動
・業務の目的を大きく逸脱した言動
・業務を遂行するための手段として不適当な言動
・当該行為の回数、行為者の数等、その態様や手段が社会通念に照らして許容される範囲を超える言動
「この判断に当たっては、様々な要素(当該言動の目的、当該言動を受けた労働者の問題行動の有無や内容・程度を含む当該言動が行われた経緯や状況、業種・業態、業務の内容・性質、当該言動の態様・頻度・継続性、労働者の属性や状況、行為者との関係性等)を総合的に考慮することが適当。
その際には、個別の事案における労働者の行動が問題となる場合は、その内容・程度と
それに対する指導の態様等の相対的な関係性が重要な要素となることについても留意が必要」
文字にしようとすると、こんなにややこしい、複雑な表現になる・・・いろんな立場の委員の意見を集約・検討し、素案を作成された苦労がうかがえます。
パワハラについて何もなかったこれまでに比べるとそれでも一歩進んだといえるのでしょうが・・・これからが正念場の法律だと感じます。
日本という国で、「人間らしく働く」を追求することが、一人ひとりの人生においてどのような意味を持つのか、法律が支える意味と人生を折り重ねて考えていくタイミングがきています。
パワーハラスメント防止措置等に関する法施行の日程は、大企業で2020年6月1日~、
中小企業では2022年4月1日~です。