2017年(平成29)1月1日から、育児・介護休業法、男女雇用機会均等法の改正とセクハラ指針に追加して明文化される内容があります。
ここ数年特にマタニティハラスメントやパタニティ(父性)ハラスメントといった「妊娠・出産、育児休業、介護休業等を理由とする嫌がらせ等」がメディアにも取り上げられ、注目を集めてきました。
私自身が相談を受けたことがあるものとして、男性が子どもの保育園お迎えのため、定時に帰ろうとすると上司や同僚から「男なのにお迎えにいくのか」「嫁さんは何してるんや」とか、「男のくせに育児休業取るなんて・・・年休があるじゃないか」など。
以前と比べると子どもを抱いたお父さんを目にすることが増えました。
それでもまだ「男が育児のために仕事を早く切り上げるなんて」という固定的な性別役割分担意識があります。
子育ては女性だけのものではないし、仕事も男性だけのものではないはずです。
これまでにあがっていた多くの声が嫌がらせを防止するための措置義務を事業主に課すという法律改正に繋がりました。
【男女雇用機会均等法第11条の2】
「上司・同僚からの妊娠・出産等に関する言動により、妊娠・出産等をした女性労働者の就業環境を害することがないよう防止措置を講じること」
【育児・介護休業法第25条】
「上司・同僚からの育児・介護休業等に関する言動により育児・介護休業者等の就業環境を害することのないよう防止措置を講じること」
もう一つ、現在でも性的マイノリティといわれる方への差別的発言は、セクシュアルハラスメントの対象であるとの見解は示されていましたが、今回指針に明文化されることになりました。
こちらも文章になっていないために、泣き寝入りや差別的な発言に苦しんでいた方の声が反映されたものです。
【事業主が職場における性的な言動に起因する問題に関して雇用管理上講ずべき措置についての指針】
平成18年厚生労働省告示第615号に追加
「また、被害を受けた者(以下「被害者」という。)の性的指向又は性自認にかかわらず、当該者に対する職場におけるセクシュアルハラスメントも、本指針の対象となるものである」
誰もがハラスメントに苦しまない職場環境をつくるためにはどうすればいいのでしょう。
法律は遅遅ですが、変化していっています。
私たちの意識は変化していますか。