2019年6月26日、厚生労働省から「平成30年度個別労働紛争解決制度の施行状況」が発表されました。
すべての労働相談件数は1,117,983件と、11年連続100万件超え。
いじめ・嫌がらせの相談は82,797件で過去最高(前年度比14.9%増)。
2018年は元財務省官僚、スポーツ界では相撲、アメフト、レスリング、体操など、
毎日のようにハラスメントにかかわるニュースが聞こえてきました。
予想通りの数字といってもいいのかもしれません。
もう1つ、ハラスメントに関する大きなニュースがありました。
6月21日、ILO・国際労働機関は総会で、
「職場での暴力・ハラスメントを全面禁止」国際条約を
賛成439、反対7、棄権30という圧倒的多数の支持を得て、採択されました。
日本は政府、連合は支持に回り、経団連は棄権しました。
今後、条約への批准を検討、
批准をした国は条約にそった国内法を整備していくことが求められます。
日本国内でも、パワーハラスメントにかかわる法律案が、
5月29日に可決され、2020年4月から施行予定という動きになっています。
2019年は「ハラスメント防止」を強化する年といえそうです。
先日もある企業でこんな相談を受けました。
「機嫌が悪いと、大声で、みんなの前であろうとなかろうと
怒鳴りまくる上司がいて、みんなびくびくし、労働意欲が低下してしまっているのです」
・大声で、
・みんなの前で、
・怒鳴りまくる
十分イエローカードですが、
これまでだと、仕事ができ、結果を出している上司であれば誰も文句が言えなかった、かもしれません。
これからは、そうはいかなくなります。
上司は、叱る場合であっても、その伝え方が適正かを意識することが
今まで以上に必要になってきます。
しかし、何も言えなくなってしまうのは本末転倒です。
だからこそ、何をどのように伝えるのか、
また、しっかり相手の話を聴くためのトレーニングが重要になります。
ハラスメントは予防を考え、対策を立てること、
トップがその気になること、
沈黙する傍観者を減らし、ハラスメントに気づける人を増やすこと、
できることはそれぞれの職場で必ずあります。
自分も一緒に働くメンバーも、チームも、組織も
大事にするための一歩を考えるベストタイミングが「今」なのだと感じています。