職員数約3000名の医療法人の管理者の方全員を対象にしたハラスメント研修を担当させていただきました。
5回に分かれて実施した今日が最終日。
組織のトップである病院長をはじめ、すべての職種の管理者の方が一同に集まっていただく貴重な機会です。
話し合う時間をできる限り持っていただけるように時間の限りある中、プログラムを設計しました。
タイミングよく、9月24日日経新聞の一面に、「パワハラ防止へ法整備、悪質企業は公表も 厚労省検討」という記事が掲載され、一気に待ったなしの課題であるとの共通理解がうまれました。
普段は違う組織で勤務されている、様々な職種の管理者の方同士・・・話がはずみます。
同じグループの中でもハラスメントに対する「わたしの受け取り方・感じ方」が違うことが話合いを通じてはっきりしてきます。
性別、年齢、育ってきた地域、環境などによって個人差があるのは当然です。
よく「関係がよければ、ハラスメントへの受容度も高い」と言われます。
関係がよいにこしたことはありませんが、それは「言っている本人の勝手な解釈」であることもあるのです。
自分のものさしを相手にあてがうことはできません。
自分がOKだからといって、相手がOKかどうかはわからないのです。
不快な思いや恐れを持っていても言えないこともあるかもしれません。
一方、何でもかんでもハラスメントだと言われ、困惑している管理者も少なからずいらっしゃいます。
どうアプローチすればいいのか、指導する側ばかり求められ、大変な思いをしている・・・苦しい胸の内を少しだけ開示していただいた方もいらっしゃいました。
お互いが思っていることを伝えあい、礼節を持ち、敬意をはらいながら、人として尊重し、職業人として信義則を守る・・・そんな関係づくりが大切なのだと参加者の方から学びました。
今、最も社会的認知が高まっているといってもいいハラスメントの課題は、個人と組織を守るステージへ向け、どうしたいのか組織の方針が問われる時代に入っています。
とりわけ、鉄道や医療・介護などの現場では、お客さん(患者さん・利用者)からの暴言・暴力が問題になっています。
鉄道会社も、医療・介護等の現場でも事業主は職員・社員の安全と健康を守らなければならない。
労使双方が力を合わせていく課題の1つがハラスメントであることは間違いありません。