現在、私の仕事の5割が「ハラスメント防止研修」です。
この時季だからなのか、理由ははっきりしませんが、何しろ「パワーハラスメント」への教育研修の機会が多いのです。
「パワーハラスメント」の定義とは(厚生労働省ワーキンググループ発表)
同じ職場で働く者に対して、職務上の地位や人間関係などの職場内の優位性を背景に、
業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与える又は職場環境を悪化させる行為
関連する直近の数字を紹介すると、平成25年度1年間に全国の労働局、労働基準監督署に寄せられた労働相談の数は・・・約105万件。
そのうち、労働基準法に定めのある相談は約3/4、それ以外が1/4・・・約25万件。
「いじめ、嫌がらせ」はここに分類されるのですが、その中でも約6万件でトップ!
増加しています、毎年、確実に。
労働局管轄だけで、この数字ですが、他にもいろんな相談機関(弁護士会や労働組合など)がありますから、その件数は相当です。
パワーハラスメントは、今までは泣き寝入りや自主退職で、表に出てこなかったものも、時代の変化とともに相談や解決の機会を得て、私たちが見聞きすることも増えました。
でも、現場はどうでしょう・・・
企業を取り巻く環境は様変わりしていることは実感できても、労働者を取り巻く環境も変わっていることは実感しにくいようです。
会社内部で相談できないため、外部の相談機関に足を運ぶ人も多いのが実態です。
いきなり外部から連絡が来て、右往左往する・・・そんな組織を何社も見てきました。
ハラスメントが無いと思いたい人なら、見たくないから見ようとしない、見て見ぬふり
気づきたくないから、気づかないふり、聴きたくないから、忙しいを理由にしてはぐらかす、そんなことはないでしょうか?
どんな職場でもパワーハラスメントが起こりうる可能性はあります。
被害者にも、加害者にも、周囲の仲間にも、会社にも多大な負の影響があるのが、ハラスメントです。
ハラスメントは人格権の侵害。
人ですから好き嫌いがあるのは仕方ないですが、だからといって、人格権を脅かすような言動をしていいことにはなりません。
個人を大切にする組織は、活力が生まれる。
活力は、仕事への向き合い方、仲間との関係性、成果へのエネルギーの源。
「ハラスメントがあっても表にでてきていないだけかも?」
という組織風土に不安がある、そして、「働く人の満足を高め、いい人材に定着・活躍してほしい」とお考えの人事・総務・法務担当のみなさま、現場の悩み、不安を少しでも取り除くため、粘り強く、問いかけ続け、ハラスメントのない環境づくりのためにこれからも、お手伝いをさせていただきます。