「心から分かり合えないんだよ、すぐには」
これは演出家の平田オリザさんの言葉です。
「分かりあえる」ことを前提に物事を進めれば、苦しくなることがある。
時に排他的になることもある。
そこにハラスメントが起きたりします。
「すぐには分かり合えない」からこそ、コミュニケーション能力が大切であり、粘り、リラックス(ありのまま)、承認が大事だと思います。
「ハラスメント研修を受ければ受けるほど、何も言えなくなる」
ハラスメント防止研修の現場で聞こえてくる声です。
言葉の選び方、ふるまい方・・・難しいです。
ハラスメントを自覚無しにしている側、人間関係を壊すことが怖くて何も言えないでいる受ける側、どちらもストレスをためています。
正論は「ハラスメントはいけない」、そんなことはどなたも理解しているのです。
ただ、現場での戸惑い、イライラ感、もやもや感をどうすればいいのか。
私自身も限られた研修時間の中で、参加者の方々の様子を拝見しながら、どうすれば参加者の方にとって理解を深めていただけるかを毎日模索しています。
ハラスメントへの理解も、すぐには整わないと思います。
期待や思いの強さから厳しい態度をとってしまう方は、その言い方、表現に工夫を施すことも一つの方法です。
「私」を主語にして、自分の気持ちを伝えるアサーティブ・コミュニケーションです。
できるところから、少しずつ、行動してみませんか。
心から分かり合えるには、時間がかかると理解した上で。