皆様、新年明けましておめでとうございます
初詣には行かれましたか?
私の故郷は、お伊勢参りで有名な伊勢なのですが、伊勢神宮についてのコラムを今年最初の記事にさせていただきます。
10年前に亡くなった、私の父の生前最後の仕事は、伊勢神宮の式年遷宮に関わるものでした。遷宮とは、社殿の造り替えをし、御神体を遷すことをいいますが、伊勢神宮では20年に一度行われます。なんと第1回が690年といいますから、1300年以上続いていることになります。
平成17年から様々な行事が進行していますが、次回第62回式年遷宮は来年平成25年です。 父は、平成5年の第61回式年遷宮で宮大工として、仕事をさせていただきました。
最高の木材をつかった神宮のお仕事を誇りにしていましたが、父の最後の仕事になりました。内宮宇治橋手前の鳥居です。父が生前、「何故、20年に一度なのか・・・ひとつの理由は、職人の技術を伝承していくために最適な期間が20年と言われているからや」と話していました。
次の世代に技術を引き継いでいくための、最善の時間・・・人材を育てていくために必要な時間。
研修に行きますと、「若い人と定年前の人はいるんだけど、30代後半から40代の次世代を育成していく階層の人が少ないんです」という悩みをお聞きします。
人材を育てるには、それなりの時間がかかることは明白なのに、計画的に実行することは難しい。
様々な環境変化はありながらも、1300年以上続いてきている伊勢神宮の式年遷宮・・・20年に一度を守り続けていることの意味は深い。
人を大事にすること、育てることのお手伝いを、今年も精一杯頑張ります。
どうぞ、よろしくお願いいたします。
父の形見の鉋(かんな)